1877年には息子のルイ・ポールが経営に参加、しかしその2年後に、創業者ルイ・ブランがこの世を去ります。その後を引き継いだルイ・ポールと三男のセザールは、拠点をビエンヌに移し、部品作りから組み立てまでを一貫して行える体制を作り上げました。
そして、1894年、「これ以上の到達は不可能、最高、完成」の意味を込めた、ギリシャ語アルファベットの最後の文字「Ω(オメガ)」の名前を持つムーブメントが誕生。後にこれが社名となります。
このように、オメガは、創業者の息子達によって、19世紀終わりには600人の従業員を抱えるスイス最大の時計メーカーへと成長しました。
20世紀に入り、オメガは、様々な場所で重要な役割を担っていきます。
スポーツの世界では、1932年、オメガの時計の精度が評価され、ロサンジェルス・オリンピックの公式タイムキーパーに選出、その後20回以上のオリンピック大会での公式計時を担当している他、
1936年には、アメリカ人探検家のウィリアム・リーブがオメガの「マリーン」(シーマスターの先駆モデル)を身につけて水深14メートルまで潜ったことで、このような環境下での時計の耐久性が証明され、1948年には、「シーマスター」が誕生。1955年のゴードン・マクリーンによる水深62.5メートルや、1981年のジャック・マイヨールによる水深101メートルの記録もシーマスターと共に達成されました。
その他、多くの陸上競技大会、水泳競技大会、ゴルフトーナメント、アメリカズカップを始めとするヨットレースなど、多くの競技・大会などで使われており、スポーツに欠かせない存在となりました。
また、宇宙での役割に目を転じると・・・宇宙環境での使用に耐える時計を探し求めるため、1964年に始まったNASAによる環境試験。異なったブランドの12本の時計から「オメガ・スピードマスター」が唯一テストに合格します。
そして、1969年7月21日、アポロ11号による人類の月面への第一歩と共に、月面で着用された最初の時計になりました。
さらに、翌1970年には、トラブルに見舞われたアポロ13号の地上への帰還に際して、重要な役割を果たした功績により、NASAより「スヌーピー・アウォード」を受賞。その後も、宇宙センター「ミール」や国際宇宙センター(ISS)でのオフィシャル・ウォッチとして、その高い信頼性を発揮しています。
その他、ヨーロッパの主要な天文台コンクールで世界記録を樹立したことの象徴として裏蓋に天文台のレリーフが刻まれるコンステレーションは、1930年代以来、英国のキュー・テディントン、スイスのニューシャテルやジュネーブといった威厳ある天文台より最も数多くクロノメーター検定に合格した初めてのシリーズ生産時計として、時計づくりの歴史にその名を刻んでいるものであり、
1995年に発表された新しいコンステレーションのシリーズは、マルチナ・ヒンギスやシンディ・クロフォードなどの第一線のスターに公私に亘って愛用されています。
このように、20世紀に入ってからのオメガは、様々な世界で、様々な場面で、最も活躍している時計と言え、スイス時計の伝統と真の実力を兼ね備えた類稀(たぐいまれ)な存在ということができるでしょう。
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